



初代から80年受け継いできた、瀬戸内の海を知り尽くした漁師の勘と経験で、指揮船がちりめんの漁場を選りすぐる。二艘の漁船で小さくデリケートなちりめんを傷つけにくい特殊な漁網、漁法で、豊饒の海から引き揚げる。そして、運搬船が新鮮なうちに加工場に運搬。



水揚げ運搬船が、鮮度を保つため一分一秒を争いながら運んだちりめん。加工場でも鮮度の高いうちにちりめんの灰汁を地下水で洗浄し、茹で上げる。ちりめんの大きさ、魚質によってうまみを閉じ込めるために最適な茹で時間は異なる。それを一瞬のうちに見極めるのは熟練工の経験。



茹でたちりめんは専用ラインで乾燥。専用ラインの床は、行き届いた掃除で、高い衛生基準を保持。この乾燥でちりめんのうまみがさらに凝縮され、出来上がりの優劣が決まる。最適な乾燥時間は、魚質はもちろん、その日の温度、湿度によっても微妙に異なる。それを見極めるのも80年の歴史のなせる技。



従来の目視に加え、水産物の選別の業界では最大手、最も信頼のおけるメーカー製の、色彩選別機を導入。一匹一匹のちりめんをカメラで見極め、風圧で異物を除去する。人の手が触れないため、ちりめんを傷めない。精度の高い機械よるムラのない選別により、安定して、高い安全性が保てる。



小さな頃から祖父、父の背中を見ながら50年以上ちりめんと歩んできました。ちりめんは小さな魚で、鯛やマグロといった魚のような華やかさはありません。ただ、ちりめんは普通の魚とは違い加工で製品におおきな違いがでます。祖父の想いである食卓を笑顔にするような、安心で、お年寄りから赤ちゃんまでが、おいしいと食べてもらえるようなちりめんじゃこ。漁師、加工職人としていろいろな視点で考え、工夫してきました。試行錯誤の日々でしたがその経験が今は糧となって、広島でも有数のレベルのちりめんじゃこを作っております。これからは祖父から受け継いだ「倉橋島のちりめんじゃこで食卓に笑顔を」の想いを次世代に伝えていくのが自身の使命です。